中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)

「物がゆがんで見えるようになった」「視野の中心が暗くなった気がする」その症状、ただの疲れ目ではなく中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)かもしれません! 監修:戸張幾夫先生

中心性漿液性脈絡網膜症とは…

概要

網膜の中心に、視力に深く関係している「黄斑」という部分があります。
中心性漿液性脈絡網膜症はこの「黄斑」に水がたまり、部分的な網膜剥離が引き起こされる病気です。
片方の目だけに起こることがほとんどですが、時期をずらしてもう片方の目に起こることもあります。

CHECK!

  • 視野の中心が欠けて見える
  • ものが歪んで見えるようになった
  • 色覚異常を感じる
  • ものが小さく見える
  • 目を酷使している
  • 睡眠不足だ
  • 過度なストレスを感じている

当てはまるものがありませんか?

症状

網膜の外側には、血管などが束になっている「脈絡膜」という組織があります。
この組織は、網膜に酸素や栄養を補給しています。
中心性漿液性脈絡網膜症にかかると、この脈絡膜の機能が弱り、色素上皮細胞が壊れて網膜側に漿液が漏れて黄斑の部分にたまり、腫れた状態になるのです。
結果的に黄斑の部分の網膜が剥離して、視力に影響が出ることになります。

眼球の仕組みはこうなっている

【図】 【図】

中心性漿液性脈絡網膜症にかかると・・・・・

【図】

なりやすい人

中心性漿液性脈絡網膜症は、30代~40代の働き盛りの男性によく見られます。
原因は分かっていませんが、過労や睡眠不足などのストレスが引き金となる傾向が見られ、一時は「神経性胃潰瘍」「円形脱毛症」とともに「ストレスの三大疾患」と呼ばれたこともあります。

男性の罹患率は女性の約6倍という調査結果が出ています。
そのうちの約7割が30代〜40代。

女性の場合は妊娠時の発症例が報告されています。

おもな症状

  • 視力低下
    網膜剥離がおきるため、視力が低下することがあります。
  • 中心暗点
    黄斑部は網膜の中心にあるため、その機能が低下すると視野の中心が暗く感じられることがあります。
  • 視界のゆがみ
    黄斑部が腫れることで、見ようとするものが歪んで見えることがあります。
  • 色覚異常
    見ようとするものが実際の色と違った色彩に見えることがあります。
  • 少視
    実際よりも、ものが小さく見えることがあります。
  • 遠視
    眼底部が腫れることで網膜が前に押し出されるため、軽度の遠視になる場合があります。

中心性漿液性脈絡網膜症の見え方

(以下はイメージです)

【イメージ図】中心性漿液性脈絡網膜症の見え方

診断と治療

中心性漿液性脈絡網膜症が疑われる場合の診断は、現在ではOCT(光干渉断層計)という検査でおこなうことが主流となってきています。

OCT(光干渉断層計)とは?

光の干渉を利用することで、網膜を断層的に検査することができる機器です。
赤外線を利用して網膜の断面の様子を確認することができるため、これまでの検査よりも患者への負担が少なく、より精密な診断が可能になりました。

【写真】

蛍光眼底造影検査とは?

静脈に蛍光色素を注射し、眼底の様子を確認する検査方法です。
この病気の場合は、色素が網膜側に漏れ出るため、判断が可能になります。
色素の漏れ方によって、病気の程度も判定できます。

【写真】蛍光眼底造影検査

治療方法1:レーザー治療

漿液が漏れだしている部分にレーザーを照射し、凝固させることで回復を促す治療です。
回復が早く、再発が防止できる治療ですが、黄斑の中心部から漏洩している場合には照射できません。また、施術後の検査は必須となります。

治療方法2:薬物治療

薬物を使用する場合には、いくつかのアプローチがあります。

末梢循環改善薬

網膜の循環を促すことで周辺の機能を回復させ、漿液の吸収を促進させます。
また腫れを引かせるため、血管強化剤なども使用されます。

ビタミン剤

眼底部の細胞を活性化させて回復を促すために使用されます。

ヨウ素製剤

網膜の組織呼吸を促進し、新陳代謝を亢進させることで、網膜の腫れを引かせて回復を促します。

中心性漿液性脈絡網膜症は、ほとんどの場合は3〜6か月の内服治療で自然治癒する病気です。
ただし再発する可能性が高く、また、経過が長引くことで視力が回復しないこともあります。
医師の診断のもと、適切な治療を行いましょう。

監修の先生ご紹介

戸張幾生先生

表参道内科眼科 名誉院長 医学博士

東邦大学医学部 名誉教授  日本眼科学会認定 眼科専門医

専門分野:網膜眼底疾患に対するレーザー光凝固治療 / 白内障手術
所属学会:日本眼科学会名誉会員 / 日本眼科医会代議員 / 日本失明予防協会理事 / 日本レーザー医学会